エーコープみやざき

顧客事例#016

株式会社 エーコープみやざき

誠実に、フェアに向き合う。対話から生まれた4,200万円の改善効果と信頼の再構築


基本情報

業種・業態
小売業(スーパーマーケット、その他衣料・書籍店舗)
エリア
宮崎県
設立
2002年
従業員数
1142名

インタビュイー

  • 取締役常務 吉川 浩 様

  • 総務企画部 企画管理課 課長 丸山 貴彦 様

  • 総務企画部 企画管理課 主幹 津田 茂広 様

  • 営業部 商品課 課長補佐 日髙 和幸 様

エーコープみやざきさんが当時抱えていた課題と、プロジェクトを始めた背景を教えて下さい。

▍吉川さん

当社は、JAグループの一員として宮崎県内でAコープのスーパーマーケットを運営しています。設立から20年以上が経ちますが、ここ数年は業績が伸び悩み、厳しい状況が続いていました。売上の柱である店舗事業が苦しい中で、「本部として何ができるのか」「業績にダイレクトに貢献できることはないか」と模索していたんです。

そんなときに、RELATIONSさんからコスト最適化の提案を受けました。もともとJAから引き継いだ事業がベースになっていることもあって、長年手をつけられていない領域が多くありました。協働関係というよりも、なんとなく続いていた取引先との関係も多かった。そうした部分を、RELATIONSさんの支援を受けながら見直していくことで、「本部がやるべき役割」に初めてしっかりと踏み込めた感覚がありました。

私自身、「これまで変えられなかったことに、今回ようやく大きく手をつけられた」と感じています。非常に大きな意味のある取り組みでした。

コストの最適化を通じて、どのような成果や気づきがありましたか?

▍津田さん

今回の取り組みでは、​​レンタルマット、捕虫器・害虫駆除、包材、携帯など5品目以上にわたり、コストの見直しを行いました。結果として、年間約4,200万円のコスト改善効果を出すことができたことは、経営に対する貢献としても非常に大きかったです。

一方で、このプロジェクトの価値は、金額だけでは測れない部分にもありました。たとえば、マットや捕虫器は、現場では「そこにあって当たり前」の存在になってしまいがちです。私自身、店長時代を含めて、そのスペックや意味をあらためて見直すことはほとんどありませんでした。だからこそ、今回のように「そもそもこれって必要なの?」「この仕様でいいの?」と問い直すこと自体が、現場にとっても非常に意義深かった。

RELATIONSさんと一緒に項目ごとの課題を整理し、選択肢を広げながら検討を進める中で、「変えられるものはある」という意識が広がっていきました。数字としての成果とともに、考え方や働き方の視野が広がったことが、プロジェクトのもう一つの収穫だったと感じています。

プロジェクトを通じて、ご自身やチームの考え方や行動にどのような変化がありましたか?

▍丸山さん

私自身、もともと何かを「変えたい・変えていく必要がある」という想いは強く持っていましたが、これまではどこか守りに入ってしまっていたところがありました。今回のプロジェクトを通して、「自分たちが会社を動かしていくんだ」という意識が、ようやく行動として芽生えはじめたと感じています。

部門を越えてチームを組み、営業企画部や店舗のスタッフと一緒に、たとえばレンタルマットの仕様について「どれが最適か?」を話し合ったり、包材の内容を一つひとつ検討したりする中で、それぞれの立場からの視点が交わることの面白さを実感しました。管理職になると業務に対して純粋に「楽しい」と感じる瞬間は少なくなるものですが、このプロジェクトは本当に楽しく、話し合いの時間そのものが心のやすらぎでもありました。

さらに、対話のプロセスを通じて、「一人で抱え込まなくていい」と思えるようになったことも大きな変化です。以前は何かあっても、まずは自分でなんとかしようとしがちでしたが、いまは「みんなで決めていけばいい」と思えるようになりました。

RELATIONSさんとのやり取りを通じて、問いを立てて言語化することの大切さや、答えを急がず対話を続けることの意味も学びました。これからも、そうした姿勢を大事にしていきたいです。

社内の多部門と協議しながら進めた包材の見直しですが、その過程でどのような変化がありましたか?

▍日髙さん

私は包材の見直しを担当したのですが、商品の種類も多く、青果・精肉・鮮魚・惣菜の各部門ごとや店舗ごとに仕様が異なるため、それぞれの担当と連携を取りながら丁寧に進めていく必要がありました。決して楽ではありませんでしたが、「あーでもない、こーでもない」と一緒に試行錯誤する中で、自然とまとまりのようなものが生まれていたと感じます。

この経験を踏まえ、最近では店長会のあり方にも変化をつけています。これまでは“報告事項”が中心でしたが、今は“協議事項”を増やすようにしているんです。販促物やスケジュールの案も、「これでいきます」ではなく、「こういう方向で考えているけど、どう思いますか?」と店長たちに投げかけるようにしているんです。そうやって一緒に考えたことは、自然と主体的に取り組もうという空気につながっていて、今後さらに育てていきたい文化だと思っています。

 

丸山さん

今回のプロジェクトでは、これまでの「決まったからやってください」という一方通行の進め方ではなく、対話を重ねることを意識しました。たとえばマットなどに関しても、店長たちにこちらから趣旨や背景を丁寧に伝えた上で意見を求めることで、現場からも「こうしたらもっと良くなるんじゃない?」という前向きな声が上がってくるようになったんです。

現場との信頼関係が少しずつ築かれてきた実感があります。受け取る側の立場に立って、どう伝えるか、どう一緒に決めていくか。そんな当たり前のことを、あらためて大事にしようと思えるようになりました。

今回の取り組みを経て、今後に向けてどのような挑戦や展望を描いていますか?

▍丸山さん

プロジェクトを通じて、「取引先や現場の方たちと丁寧に対話することの大切さ」をあらためて実感しました。反発を恐れずに誠実に向き合えば、むしろ信頼につながる。そんな経験が、自分自身の軸として残りました。

これまで管理部門は、どちらかというと守りの立場にあるという意識が強かったのですが、今回の経験から、非現業部門でも業績に貢献する道はあると感じました。今はすでに「こういうことをやってみたい」と思うアイデアがいくつかあり、今年中にその足がかりを見つけたいと考えています。これからは守るだけでなく、攻める動きにも挑戦していきたいです。

 

吉川さん

メンバーたちが一回りも二回りも成長してくれたことを実感しています。実績検討会でも、「どうしてこの結果になったのか」「次はどう動くか」といった問いに対して、これまで以上に明確な言葉が返ってくるようになりました。以前は「誰かがやるだろう」という空気もありましたが、今は「自分たちがやらなければ」という責任感に変わってきています。


RELATIONSさんは、ただのコンサルタントではなく、私たちの隣で一緒に考え、支えてくれる存在。これからも組織として挑戦を続けていくうえで、良き伴走者であってほしいと思っています。

 

 

※部署・役職はプロジェクト実施当時のものです。

(了)